・間賀田四季…遠野槙久の第一子にして、長女。但し戸籍上は長男。

幼年期に反転衝動に呑まれて紅赤朱と化すも、七夜の志貴と相討ちになる。以後、かろうじて命を取り留め、地下牢に幽閉状態となる。
奇跡的に自我を取り戻すが、胸には大きな痕が残った。
槙久の死後、当主となった秋葉の指示により幽閉から解かれ、離れに軟禁状態となる。髪と肌が病的に白い。和装を好む。
母方の間賀田姓を名乗っているのは、秋葉が有間家から志貴を呼び戻して長男である「遠野志貴」が存在している為。
「共融」と「不死」の能力者。固有結界「血界」。自身の血液を刃のように変化、硬質化させ、攻撃に用いる。
あの事件時、致死状態から蘇生できたのは志貴と「共融」でレイラインを繋げたことによる。ラインは現在も繋がっており、志貴の毎度の貧血は専らこれによる。尚、志貴は秋葉とも「共融」で繋がっている。志貴が蘇生できたのは秋葉のおかげである。
秋葉は「志貴→四季」のレイラインを快く思っていないが、志貴本人は気にしてないらしい。それを言いだしたら「秋葉→志貴」のレイラインをも切断すると言い出しかねないので、暗黙の了解というか、不承不承承諾。
同じ致死から蘇生した者同志である為か、志貴とは不可思議な「繋がり」を持つ。意識の流動や相手の位置の認識がそれに当たるが、志貴の七夜化に伴い、どうやら四季も遠野化するようである。
「三咲町連続吸血鬼事件」の前後、ミハイル・ロア・バルダムヨォンの転生先となる。「無限転生の蛇」の魔術知識を得、冬木市聖杯戦争を知ることとなる。
遠野家を無断外出して冬木市に調査に出向いた矢先、四季と24時間に一度は接触しないと不安定になる志貴は七夜化し、殺人衝動のままにアルクェイド・ブリュンスタッドを殺害してしまう。
七夜化した志貴に引きずられるように、三咲町に舞い戻ってきた四季も遠野化し、弓塚さつきがその犠牲者となる。
四季が聖杯戦争に興味を抱いたのは、聖杯の力で安全に志貴とのレイラインを解除する方法を彼女なりに探索していた為。いやレイラインはそのままに、死に体の志貴に心を痛めていたことによる。聖杯戦争は60年周期といわれ、前回にあたる第四次聖杯戦争は十年弱に勃発した為、調査はほぼ空振りに終わった。
志貴が「直死の魔眼」であると同様、四季も「生命の魔眼」であることを自覚している。間賀田四季である普段は眼力を込めないと発動しないが、遠野化状態では活発化する。


弓塚さつき…吸血鬼事件の被害者。生き残り組。ナチュラル・ボーン・バンパイア。

四季の使い魔にして、行石*1「土」応石*2「弩」の使い手。固有結界「枯渇庭園」。
「史上最弱のクラブ」「最強の暗躍組織」バドミントン部・通称「バド」の残存兵にして、古強者。その情報収集能力と生存能力は計り知れないが、その特異能力は遠野志貴を対象としてのみ特化している。
死徒としての日が浅い為、太陽光を浴びることはできないが、応石で土の義体(ゴーレム)を作って高校生活を乗り切っているようである。
吸血依存は人工血液と世界最大の応石・癒石*3「月」によって代行者シエルが存在を黙認する程度に抑えられている。


・山瀬舞子…原初の海。そして混沌。

ネロ・カオスの餌食になるも、その魂と意識は混沌にリザーブされ、ネロ・カオス戦にて負傷した遠野志貴の治療に使われる。遠野志貴の一部として取り込まれるも、異物として排除される。よって、遠野志貴の一部であり、使い魔であり、使い魔を使役するモノでもある。
髪は白髪化、皮膚は黒化、瞳は赤化している。インバネスコートの下は闇のように黒い。
魔術知識はネロ・カオスのものを継承しており、固有結界「獸王の巣」で生前の自己を具現化させている。
魔力供給の為、間賀田四季から人工血液を定期的に補給。さっちんのように「月」の加護を得られないので、補給回数は多め。
666の素を獣と化して使役することはできない。精々、66くらいか。同時に使役できる数は10に満たない。
遠野家の番犬ならぬ番狼・クールトーのマスターは彼女である。生ハム大好き。
時々、真夜中に妹である山瀬明美と会って深夜の散歩をしているらしい。
志貴の周りの女性のように彼を恋愛対象の異性として意識しているわけではない。彼との関係が複雑怪奇である由縁か、主従の親好は雇用主とバイト店員のそれか、大きく背伸びして男友達の間柄に近い。もっとも、陥落の靴音はゆっくりと、しかし確実に迫っていることであろう。


バゼット・フラガ・マクレミッツ…隻腕の魔術師。協会に属する。

いい男といい女に目がなく、とりわけ陰のあるタイプがすこぶる好み。
男装の麗人。第五次聖杯戦争開始直前に、ランサーを召喚したものの、言峰奇札に欺かれて令呪を左腕ごと奪われる。致死に至る前に、間賀田四季によって命を取りとめる。
日常時は義手を使うが、リラックスする時には外す癖がある。遠野家つながりで刀崎*4御用達の義手だが、彼女とは相性が合わないようである。
珈琲党で、紅茶党の遠野家住人とは反りが合わない。缶コーヒー党である四季を、その一点だけについては修正すべき欠点だと思っている。


・遠坂凜…五大元素属性/アベレージ・ワンの魔術師。あかいあくま。

「三咲町連続吸血鬼事件」の前後に間賀田四季が冬木市聖杯戦争の調査に赴いた際に接触した当地の魔術管轄者。当時中学生。
等価交換ということで四季から幾つかの宝石で、聖杯戦争の概要を教授している。その情報の中には「御三家」即ち遠坂と間桐、アインツベルンの事柄も含まれている。四季はこのときはじめて遠坂家が聖杯戦争に深い関りを持つことを知る。
遠坂家のあとに立ち寄った間桐家において、四季は遠野家において槙久が琥珀に強要していた忌まわしい「過去」それ以上のことが一人の少女に「現在」も尚、行使されていることを知り、……同時刻、志貴が直死の魔眼アルクェイドを一七分割したように、間桐臓硯を「生命の魔眼」で完膚なきまでに殲滅する。それとともに、桜の心臓に寄生していた臓硯の本体である擬似神経をも滅ぼしているが、彼女の全身に絡みついている刻印虫は残している。四季の魔眼では全ての刻印虫を無害に殺しきるのは不可能なのと、放っておいても桜には無害であると睨んだ為。
悍ましき間桐の魔術師を殺したのは「遠野四季」、紅赤朱属性の鬼種にしてロアの魔術知識、魔力を持つハイパー・カルニヴォアであり、異種者を狩り滅ぼす「遠野家宗主」真の遠野家当主そのひとである。

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*1:行石:応石を操作する為の石。OSにあたる。木火土金水の五種。

*2:応石:オーパーツ。「石」「如意片」「捜魔器」とも。二万年前の崑崙でつくられた万能道具。外見は円盤状で、大きさは親指と人指し指がつくる輪ほど。必ず漢字一字に対応し、時に文字が表面に感知される。所有者の意志の力で、およそどんなものにでも変化する。対応する漢字が複雑なほど強大な力を持つ

*3:癒石:応石を癒し力を注ぎ込む石。軌道上の月は最大にして使い手のない応石である

*4:刀崎/とうざき:遠野の分家筋。刀を造ることを生業としていた一族。骨師。自らの腕の骨を犠牲にして刀/骨刀を鍛える。普段は鉄で刀を作るが、相応しい使い手を見つけると自らの腕を犠牲にして刀を作る。