ふぇいとSSもどき

『はだかのおーさま』 ――十年前に起きた大火事は多くの犠牲者を出し、生存者の傷は今も癒しの刻を待ち続けている。 / 暴漢に襲われた俺を助けてくれたのは、メルヒェンの国からやってきた不法滞在者の金髪さんでした。 見えない剣で暴漢と競り合う金髪さん。…

海の上では無敵。 水の中では不死。 その不思議なちからを「加護」とひとは云うだろうか。 私はたんに「呪い」だと思うのだけれど。 船に乗せられて海に流された私を救けてくれた人のことを振り返り、のちのひとは善人といったけれど、 なんのことはない、そ…

『豪奢の伝聞』 倫敦に住むようになり、俺達もようやくこの石と霧の街に馴染んできた。 当初は西洋の魔術師は頑固で偏屈でずる賢い、というイメージを持っていたが、どうやらそれは間違いで、霧の都の連中は気さくな奴が多い。 何しろ、俺の下手くそな英語で…

『どらごんぷりんせす・めーかー』 こんな。夢を見た。 「問おう。君は正義の味方か」と。 そんなことを、なんだか雪国育ちの泥水っぽい色をした丸っこいものに、とーとつに問いかけられる、ヘンな夢だった。 「というか、なんだお前」 「我が名はマーリン*1…

『あるとりあ、衛宮家初代女王を宣言す』 そもそものきっかけは遠坂の倫敦留学準備の話題である。 英国といえば、セイバーの出身地。 英国といえば、女王陛下。 そう、現在のブリテンは、国王ではなく、女王のものなのだ。 それを知った、セイバーの愕然とし…